プリザーブドフラワーの基礎知識

プリザーブドフラワーは、近年フランスで開発されたお花の新しい楽しみ方です。
十数年前に日本へも本格上陸を果たし話題になると共に、フラワーアレンジの世界に新しい風を起こしました。

プリザードフラワー、プリザーブフラワー、ブリザーブドフラワー、ブリザードフラワー、ブリザーブフラワーなど、様々な呼称が
なされているようで、実はちょっぴり紛らわしいのですが【プリザーブドフラワー：preserved flower】が正式な表記です。
日本語に直訳すると「保存された花」といった意味合いになります。

プリザーブドフラワーは、お花の保存方法のひとつであり、そういった意味では、ドライフラワーなどと混合して理解される場合もあるようですが、その製法は異なるものであり、「枯れない花」と呼ばれるように、徐々に色褪せる傾向にあるドライフラワーとは異なり、圧倒的な美しさやみずみずしさを長期に渡って維持出来るのが特徴です。

当サイト管理人は昨年、母の日のギフトとして、街のお花屋さんで、バラのプリザーブドフラワーのアレンジ商品を購入して贈りましたが、一年以上経った現在においても、購入した時と同様にその鮮やかな色合いや感触、フレッシュさを保っています。

美しい花をいつまでも現状のままで保存したいという、古来よりの人間の、花を慈しむ思いや愛情、そして願望が生み出したお花の保存製法が、プリザーブドフラワーです。この保存製法の歴史は意外にまだ浅く、数十年くらいしか経っていません。
　
この分野で先行していたのはヨーロッパで、まずは「グリーン」と呼ばれる葉や茎の部分に対する研究から始まり、1987年になって、フランスのメーカーであるヴェルモント社が、花の部分の製造開発に成功し、長持ちする切り花の製造技術として、世界特許を取得、1991年よりバラのプリザーブドフラワーの販売を開始しました。

世界中に広がり、日本へ初上陸したの1996年頃だとされていますが、世界中で話題・人気・需要が高まっていったのは、そのみずみずしさや扱いやすさに加えて、カラーバリエーション（花びら等の色を変える事が可能）などのアレンジを自在に可能な事から、有名なフラワーデザイナーやフラワーアーティストと呼ばれる人たちが、関心を示して自身の作品に取り入れ、彼らから高い支持を得た事も大きな要因であるとされています。

プリザーブドフラワーの作り方の概要は、お花の中の樹液等と特殊な溶液とを「入れ替え」て着色する･･･という事となります。
製造工程のポイントは、①お花を「脱水・脱色」 ②「有機系の保存液を吸わせる」 ③「着色」･･･です。

なお製造方法や使用保存液には幾つかあるようです。これは、製造メーカーやデザイナー、職人さんによっては、独自の手法を
考案しているからです。また私たち一般個人としては、手作りキットや教室の利用によって、家庭でも手軽に作る事が可能です。
　
プリザーブドフラワーをホームメイドで手軽に楽しめる手作りキットは、専門家の製造法を簡易化させたものですので、
作る事はそれほど難しくはありません。また、製作にかかる時間・日数は、その作り方や溶液などによって異なります。